温かく守り育ててくれた人がいたこと
虚空蔵菩薩のお守りがかけがえのないもの
かなりの年数を経てしまったお寺参りのお札が自分の部屋の壁にあるのですが、いまだに大事にしています。
もう色も黄色から茶色になろうとしていて、私以外の人には見たらちょっとびっくりしてしまうでしょう。でも、無いと落ち着かないのです。
それは私が子供の頃、「十三参り」をした時の虚空蔵菩薩様で頂いた御守のお札です。「賢くなれるように」との今は亡き祖父母の願いがこめられています。今でも慣れない着物を着せてもらい、一緒にお参りしてくれたことをよく覚えています。真新しいぞうりを足が痛くて履き続けられなくなり、履き慣れてゆるくなったぞうりと取り替えてくれた母のことや、ドキドキしながらお寺でお参りをして、ようやく祖父母の家で着物を脱がしてもらい、暑い日だったのでクーラーを全開にして涼しくしてくれたことが思い起こされ、懐かしい日々を心の中でまた思い返したりします。残念ながら、祖父母の思うほど賢くはなれませんでしたが、自分をあたたかく見守り育ててくれた人々がたくさんいたことを、このお札が教えてくれます。
忘れなくない思い出が
忘れてはならない、忘れたくない思い出がこのお札を見るたびに頭の中に現れて、その度に微笑む祖父母に優しく包まれていたあの頃に戻れます。いろんな事がその後ありましたが、このお札がずっと見てくれているような気がして、ずっと今の場所に在り続けてくれることが心丈夫なのです。