IT派遣は奴隷商・IT土方と呼ばれ
派遣会社の営業との考え方の違い
私はIT派遣業に従事してきましたが、IT派遣業というのは会社の中での従業員の入れ替わりが多い職種だと思います。ほとんどの場合、営業の人間ではなく技術者の入れ替わりが目立ちます。
営業職は技術者を会社に連れていくだけですので、一度成約が済んでしまえばあとは、経過を見守る程度の仕事です。
私は会社のなかで作業をしていましたので、営業や社長のやり取りを実際に耳にすることがよくありました。
彼らが言うには、
「こういう派遣に来る技術者は所詮コミュニケーションが取れない、こういう所にこないと働けない奴らだ。だから、営業で仕事先を見つけてやって、働かせてやる。winwinな関係な訳だ。」
「技術者が気持ちよく働けるように、営業の人間は普段から持ち上げてやることが仕事なんだよ。」
とのことでした。
たしかに、業務の激務さは圧倒的に技術者の方が上でしょう。
定時には当然帰れず、泊まり込みなんてのも当たり前。
働き始めれば、労働条件や金額の面から派遣元の会社と、派遣先の会社からの板挟みです。
あいつはヘタレだな。どうしようもないクズだ
ある時、弊社が派遣している一人の技術者が問題を起こしてしまいました。
激務からくるストレスが原因でした。
とうぜん派遣元である弊社に
「どうなってんだよ!おたくの会社の従業員は!」
と電話が来て、営業は終始平謝りでした。
電話が終わり、そのことについての話題がのぼると、
「あいつは、ヘタれだな。どうしようもないクズだ。」
「ほかにいいやつなんていくらでもいるってのが分かんねぇのかな。」
などと会話が飛び交いました。
それを聞いた私は、
「あの人は自分の希望する労働条件とは違う所に派遣された人だったはず。確か、今までも希望する労働条件ではない案件にずっと行かされていたなぁ。それでも今まで投げ出さずに来たのに、その人に向かって言う言葉か???あっ。そうか。この会社は技術者を道具としか見てないんだな。」
と感じ、退職しました。
奴隷商
よく、IT派遣はIT土方、奴隷商とも言われ、どっかから適当な人を拾ってきては、
ボロボロになるまで派遣先に飛ばすというのが常態化している業界とも言われています。
もちろんそういう所で、いろいろな職場を体験し、技術を吸収したいと考えて、業界に入ってくる技術者も多数いることは確かです。
そういう所ですから、せめて人間関係、信頼関係ぐらいは良いものであってほしいものです。