もはや島流し?転勤指令ストレス

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転勤ストレス
仕事の人事異動による転勤は拒否することができませんが、さまざまなストレスを伴います。住まいという生活の基本を転勤によって、変えるわけですから生活の基盤ごとストレスにさらされるとも言えます。
転勤でコミュニケーションが困難に
職場が変わり、住む街・働く街が変わると今までのようなコミュニケーションが取れなくなります。いつもなら簡単に通じた会話がなかなか通じない。生活や仕事の基本動作が違う。積極的にコミュニケーションを取っていかないと転勤後のストレスを一人で抱えてしまうことにもなりかねません。
仕事の要領がわからないストレス
転勤をすると新しい職場での環境に馴染まなくてはなりません。それこそ備品の位置からコピー機の使い方まで違うかもしれません。そして、上司との疎通も独特な文化が職場ごとにありますから仕事の要領がわからない間のストレスにも注意が必要です。気軽に質問できる人を作っておくことが重要かもしれません。
プライベートの友達がいない
見知らぬ土地ではプライベートでも遊ぶ友達がいません。飲み会に参加したり、社外のサークルなどの集まりに参加して積極的に仲間を作ることも大事です。
転勤ストレスエピソード
実践心理学講座に参加してくださった方の実話から転勤ストレスを体験した人の話をご紹介します。
雑な転勤指令
長年現場で汗水たらして頑張って来ました。そして念願の企画開発に移動する事になり、ここで人生を終えようと思っていた。自分のやりがいも見つかり、毎日が充実した日々であった。
しかしそれは突然やってきました。1月1日から大幅な組織改編の為、相当の人数が移動になる事に。自分も年齢が年齢なので覚悟をしていましたが、携帯に一通のメールが。
「来年1月1日から○○店舗と○○店舗の兼務責任者をお願いします」
「?」
直属の上司からでした。それも今のデスクから20mくらいの場所にいる。
自分は上司のデスクに行き「かしこまりました」と返事をしました。するとその上司は「お願いしますね」。
数日後また携帯メールで「事情により○○店舗だけになりました」
もう返事をする気持ちも無くなりました。最終的には2店舗兼務の責任者単身赴任することになりました。
そして1年後、何とその上司が自分を訪ねて来るではないですか。
いやな予感がしましたが、喫茶店で話をする事に。「なかなか店舗の状況が厳しいですね!」とその上司に言われ、「△△に出向をお願いします」直接言葉で言われた事にびっくりしましたが、上司も少し大人になったかな。でもそれは甘い考えでした。手渡されたのは、人事部からその上司に送信された業務連絡内容。「■■君に△△へ出向の打診をお願いします」そのメールを印刷したものを渡されました。
それから1年。未だに事例書といった類のものものは受け取っていません。
孤立無援の常駐先
私がIT企業でシステムエンジニアとして働いてた頃のことです。
当時、会社の状況が思わしくなく、皆自分のことで精一杯となり、社内はあまりよい雰囲気ではなくなっていました。
私の部署は、社内での仕事が中心でしたが、一部のメンバーはお客様先に常駐して仕事をすることがありました。
ただし、お客様先に常駐した場合、ほとんどのメンバーが体調を崩し、しばらく出勤できない状態になるという問題を抱えていました。
なぜなら、お客様先に行ったら最後、お客様から様々な無理難題を投げかけられ、到底本人だけの力では解決できないにもかかわらず、
会社からはなんの支援もない、という状態になるからです。
当時の会社の状態では仕方なかったのかもしれませんが、私は絶対に「そちら側」にだけは行きたくないと思っていました。
そんなある日、上司から呼び出されました。上司曰く『xxさん、今度△△△のほうに行ってくれない?』
とてもフランクな感じでした。が、私は即座に答えました。『イヤです。行きません!』
その後1時間ほど、いろいろと言葉を変えて説得されましたが、頑として断り続けました。
最後には『あそこに行くぐらいなら会社辞めます』とまで言いました。
結局、このときは行かなくてすみましたが、「会社にとって私はその程度の扱いなんだ」ととても落ち込みました。
転勤ストレスに対する会社のケア
転勤は生活の根底を覆すほどのミッションです。家庭の事情、プライベートなど普段会社から見えない部分にも影響を及ぼすのが転勤ですから、転勤前後の社員とは慎重に関わる必要があります。
愛情を感じられる言葉がけ
同じ転勤をするのにも上司に気持ちを察してもらえた上でお願いされる転勤と事例として機械的に指示される転勤ではストレスの度合いが全く違います。丁寧に転勤の理由を説明し、愛情や誠意が伝わるように辞令を出してください。
コミュニケーションを多めに
転勤後は孤立してしまうことがあります。コミュニケーションを取りやすい職場環境にしたり、質問をしやすい場を作ったり、雑談が出来るような機会を作ることが重要です。心理的な距離が近くなればなるほどストレスは軽減されてきますが、心理的な距離がある状態が長く続くと転勤のストレスが徐々にその社員の心を蝕んでいってしまいます。