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復職の難しさとその対応策

2016/10/16 企業におけるメンタルヘルス
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Rework

復職対応できていますか?

うつ病などで休養してきた社員がいざ復職するとき、社内でどのような対応をするのかは様々だと思います。

リワークプログラム(復職支援)と言われるプログラムのある民間施設を通して、まずはお試し出社などが一般的な流れかと思います。

会社としては問題なく仕組み作りをしていても、実際に仕事をしているのは人なので、所々でイレギュラーも発生してしまいます。

さらに、いざ復帰できて、その社員は問題なくとも、周りの社員が休んでいたクセになんであいつだけがと不公平感を抱いて、社内の士気が下がってしまうということも懸念されます。

こうしたこともあって、復職というのは非常にナイーブで難しい問題です。

一番ダメなのは根性論

復職する際に、「甘えているからうつ病にかかってしまうんだ。明日からは気合入れて頑張れるな」と精神論で接してしまうのは一番ダメなアプローチと言われています。これがうつ病の人に「頑張って」と言ってはいけないと言われている所以です。

うつ病になりたくてうつ病になっている人はいません。復職する際に、非常に周りに対して申し訳無さや責任感を非常に強く抱いています。

そんな人に対して、昔ながらの体育会系な接し方で接してしまうと、一瞬でつぶれてしまうこともあります。そういう接し方をしてしまうくらいであれば、最初から理解できないことを打ち明けるくらいの対応をしたほうがよいかもしれません。

一番いいのは存在を肯定してあげること

では、何を基準に接したらよいのかというと、「あなたがいてくれることだけでいい」ということを伝えることです。

うつ病などのメンタル不全というのは非常に再発しやすい病です。一度かかってしまうとかなりの可能性で再発します。そういうことを一番わかっているのは本人です。いつかまた再発して休んでしまうのではないかということを一番心配しているのは本人です。

そんな本人に対して、能力がしっかりあるかどうかという態度で接してしまうと、どんどんつらくなっていってしまいます。

では、どうしたらよいのかというと、まずは存在を肯定してあげることを言う。復帰してくれてありがとう。あなたがこうやって生きていてくれるだけで嬉しいよ、と存在を肯定してあげることです。大人になってからこのように他人から絶対的に存在を肯定されることは多くありません。そのため、かなりのいい意味での衝撃を受けます。

そうすると復職者もやる気になったり、落ち着けるので、その後に、具体的にどうしたらよいのかを具体的に復職者と相談していくのが良いでしょう。

復職失敗の経験談

私は、過去に業務で原付での営業を行っていました。
そんな中で、私は乗用車との衝突事故を起こしてしまい全身で7箇所の骨折をし、ICUへの入院が必要となるような状態になりました。
しかし事故の状況の割には運良く、後遺症が残るようなことはなかったのですが、以降二輪の乗り物へは恐怖心が生まれ、自転車にも乗らなくなりました。
復職後は事務系の職務に変わったのですが、年に2度ある所属部長との人事面談や、年に1度の人事部職員との面談でもその恐怖心のことは話していました。
事故から3年後の9月、人事異動の時期が近づいていて、定例であれば自分も対象になるであろうとの時期でした。
二輪への恐怖心のことを話していた所属部長は、そのことを気にかけ人事部に問い合わせをしてくださいました。
しかし、「(異動が)あるなら本人にも確認するから」と適当に流されたらしく、それ以降の話はありませんでした。
そして、何の音沙汰もないまま9月最終週を迎え、今週発表されるらしいとの噂が流れる中でも私への人事からの問い合わせはなく、今回の異動ではないのかもと思っていた矢先、人事異動が発表されました。
結果、実家とそのころ住んでいた家の中間点付近の支店での営業職に異動となりました。しかも自分の後任はいませんでした。
営業職に戻って、トラウマのようなものと闘いながら仕事する中で、人事部との面談があったのですが、発せられる言葉は「(営業数字の達成を)頑張ろう!」とういうニュアンスのことばかりで、こちらの心情的なことは一切考慮していませんでした。
人事部に問い合わせをして頂いた所属部長は、「異動願いを出せ!自分の権力を使ってでも帰ってこさせるから!」と言っていただいたのですが、その頃には気持ちがついて行かず、会社への不信感も非常に強く退職することになりました。

復職後の対応については復職した人に聞け!

最初に申し上げたとおり、復職後の対応というのはケースバイケースでその人に応じて何をすべきかというのは変わってきます。

それゆえ、対応に困ってしまう人事、上司の方も少ないはずです。そんなときに、活躍させてほしいのが似たような経験の復職経験者です。

その会社において、復職する際にきついこと、仕事上の問題などは経験をした人が一番わかっています。あの上司とは相性が悪い、こんな仕事はさせると厳しい、そういう事情は内部の方が一番見えています。

むやみに無理な対応をして、社員を苦しめてしまうようであれば、せめてやらないほうがいいポイントだけでもアドバイスを聞ければ復職の成功率は格段にあがるはずです。会社にとって一番、リスクになってしまうのは休職中にお金をかけて、復職にお金をかけて、それでも失敗して退職されてしまうことです。

視点を変えて、うつ病経験のプロ、復職経験のプロが社内にいると考えれば、このようなリスクを防げます。こうした人材を社内に一人でもおいておくことができれば、その会社にとって利益があることは間違いないでしょう。

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