悪口を言われている気がする…?自分の名前だけ特に聞こえちゃうワケ

陰口を言われている気がする秘密
「○○さんってさ…、ちょっと・・・。」
こんな感じに自分の名前だけぼそっと聞こえて、モヤモヤしてしまうことってありますよね。得てして、そんなときは「ああ、きっと私の悪口を言われているんだ」と思ってしまいます。自分の名前だけぼそっと聞こえて、あとの話が聞こえないのではそれも無理はありません。
本当に悪口を言われているかどうかはさておき、自分のことを話している話だけがやたらと聞こえてしまうのは実は心理学的な根拠があるんです。
そんなメカニズムを少しご紹介します。
カクテルパーティー効果
人の聴覚というのはかなり特殊にできていて、自分が聞きたい音を無意識に選別して聞いています。
遠くで自分の名前が出ている話が聞こえてしまうという経験がある反面、近くにいる人の話がどうしてもうまく聞き取れないなんてこともありませんか?
それで自分は耳が悪いのかもしれない…そんな風に思ってしまうかもしれません。
他の大きい音に注意が向いてしまうのは「マスキング効果」と言われていて、それもまた人としてしょうがないメカニズムが存在しています。
カラオケで隣の人との話が聞こえなかったり、電話中にうまく話を聞き取れないのはこのマスキング効果が働いているためともいえます。
人は聞きたいことだけを聞いている!
近くにいて静かな場所でもうまく聞き取れない・・・
私も複数テーブルでワークショップをしているときには、この現象によくなってしまいます。なぜか隣のテーブルの話ばっかり耳がいって自分のテーブルの話がまるではいってきません。
上で申し上げたとおり人というのは、聞きたいものだけを無意識に抽出して聞いています。
正確に言うと、聞くというエネルギーが向かってしまっているものの音が聞こえてしまいます。だから、遠くにいる好きな人の声とかはやけに聞こえてきたりするのも、嫌いな上司の声がやたらと耳に入ってしまうのも同じ現象が起きているのです。
さらに悪口に聞こえてしまうのにも理由があります。
まず、自分の名前が入っている。この段階で少し変だなと思います。
さらに、ヒソヒソ聞こえてしまいます。ほんの僅かな情報を重ねてしまって、知らず知らずのうちにあなたはその情報の一つ一つを「陰口」だと判断してしまいます。
別にそのことが全く気にならないのであればいいですが、気になってしまうのが人情ですよね。
陰口を言われてしまったという意識がさらに自分を卑屈にさせ、さらに陰口を助長してしまうという悪循環もあります。
聞こえてしまうのは仕方ないので、ああ、いつものカクテルパーティー効果ね、と少し客観的に自分の耳と気持ちを抑えるようにしてみるのがよいでしょう。