うつだけじゃない!職場の女性に多い摂食障害

痩せ過ぎている人は要注意かも?
職場にとても痩せている女性社員の方はいませんか?痩せていることを自覚して、太りたいくらいのことを思っている人であればまだ大丈夫ですが、さらに痩せたいと心から思っている人にはとても注意が必要です。
過度なダイエットは危険であるとは言われていますが、どこまで過度なダイエットをしているのかまわりから判断はしづらいです。何かを食べているところを見たことないくらいのところまでであれば、摂食障害である可能性もあります。
まず、摂食障害で危険なのが、うつ病とはまた違った死の危険性があることです。
少しでも体重が増えることへの嫌悪感、痩せていないといけない切迫感から、ほとんど食べ物を食べていないので、突然、栄養失調になって倒れてしまう可能性があります。
口では本人は大丈夫だと思っているので、「大丈夫」といいます。さらに、最近の社員は大丈夫という言葉を比較的簡単に使います。
そのため、気づいたら倒れてしまい、もしかしたらだいぶ危険な状態になっている。そんなことも起きかねません。なによりも、社内で人が倒れると心穏やかではいられないのが人情です。
社内の環境を円滑にするためにも、やれることをやれるうちにやっておきましょう。
摂食障害の2タイプ
制限型
こちらは体型を極端に気にして、口にする食べ物を極端に減らすタイプです。見るからにガリガリで痩せていて、食べているところをみかけないので傍から見てもわかりやすいかもしれません。
むちゃ食い・排泄型
そして、食べるのが我慢できなったり、食べないといけないことを頭だけでわかってたりすると、たくさん食べてはわざとたくさん吐くという、ドラマなどでよく描かれる摂食障害の症状が出ます。
どちらのタイプも太っているという意識が強く根底にあります。精神的にかなり不安定であるので、制限型からむちゃ食い型に移行したり、戻ったり、と症状が一貫しないこともあります。
近年は、むちゃ食い・排泄型が増えてきています。
原因は一つだとは言い切れませんが、「成熟拒否」があるとも言われています。
どこか子供のままでいたいという気持ちがあって、少しファンタジーを抱いているところもあります。
あくまで本人の深い意識のところにこうした成熟拒否があるので、間違っても早く大人になれと口で攻めてはいけません。上にも書いたとおり、非常にデリケートで本当に死んでしまうこともあるからです。
基本的には、そんな価値観を認めてあげて、理解しているという姿勢を示してあげてから、治療は専門機関に任せるのがよいでしょう。
職場でできる摂食障害へのメンタルヘルスケア
段階にもよりますが、食べるのを拒否している場合、一番言ってはいけないことが体型に関する話題です。
もしかすると、うつ病の人の地雷を踏んでしまうより危険性がはらんでいるかもしれません。
少し元気になってきて、「ふっくりしてきて健康そうでいいじゃないか」のような発言をしようものなら、それから数日、体重が戻るまで何も食べない可能性もあります。あるいは極端な過食に走る可能性もあります。
そのため、「体調は大丈夫?」といったような感じで体型以外での健康面を心配するようにして接してあげることがよいです。一般的に、男性が女性の体型についてとやかく言うのはセクハラだとされているので、気をつけている方も多いかと思いますが、なお一層の注意が必要です。
体調が悪そうだということであれば、なるべく自然に産業カウンセラーなどに会いに行くようにすすめてみたり、一度病院に行ってみてはどうかということを勧めてみるのが良いでしょう。
基本的にはうつ病の人への対応と同じで、その人がいてくれるだけでいい。ちゃんと生きていてくれればいいという思いで接してあげることがよいでしょう。
摂食障害の人は総じて、能力が高いと言われています。
きちんと、体調管理が出来るようになれば、その社員は会社にとって非常に大きい利益をもたらしてくれます。
さらに優秀なだけでなく、また他の摂食障害の社員が現れたとき、一番気持ちをわかってあげれるのが先輩の摂食障害を経験した人です。
あなたの会社に摂食障害気味の人が現れたら、優秀な社員でもあり、摂食障害のピアカウンセラーという立場でもある社員を育てることが出来るチャンスでもあります。
腫れ物に触るようにするのではなく、きちんと接することが回復への近道でもあります。似た感じの病を持つ人、ピアカウンセラーの話というのが一番、理解できるということを念頭においておくのもよいでしょう。