ストレスチェック施行1年
ストレスチェックが義務化から1年
50名以上の事業所に対してのストレスチェックが義務化されて11月末で1年になります。2015年12月から始まったストレスチェック制度、1年に1回のチェックが義務付けられているので11月末までに該当する事業所はストレスチェックを終えないといけません。すでにチェックを終えた会社。これからチェックをする会社。問題が噴出した会社。そつなく終えた会社。その違いを生み出す違いとはなんでしょうか?
「頑張って!」と言って良いか?問題
メンタルケア系の研修をしているとよく聞かれるのが「当事者に頑張ってと言って良いかどうか?」という質問です。当事者という言葉を自分の名前に置き換えてみるとイメージしやすいですが、「◯◯さんには頑張ってと言って良いかよくないか?」という質問がいかにナンセンスかがわかります。そんな情緒も変化もない人いませんし、そんな画一的な対処方法を当てはめようとされている時点で不快な気持ちになります。
信頼できる人が「頑張って!」と言えばうつ病やパニック障害を抱えていても「嬉しい」「頑張ろう」と思うものです。信頼できない人が「頑張って!」と言ったら「理解もしていないのに!」と気分を害したり落ち込む人がいるかもしれません。大事なのはセリフではなく、背後にある「相手の気持ち」だということがわかります。
ストレスチェックも同じ
ストレスチェックも「頑張って」問題と同じです。ストレスチェックをすること自体の是非ではなく、誰がストレスチェックを実施するのか?どんな思いでストレスチェックをするのかが重要なのです。義務化されたので仕方なくやります。という会社ではクレームが出やすい傾向にあり、せっかくの機会ですから社員の幸せのためにやります。という会社ではクレームが出ない傾向にあります。
ブラック企業扱いをするクレーマーも
運悪く、社内にクレーマー気質の社員がいるとストレスチェックを悪用することもできます。健康診断で身長をごまかすよりも簡単にストレスチェックの結果を悪くすることができるからです。最悪のチェック結果を手に入れたら、産業医の面談をして「高ストレス状態」とお墨付きを貰えば、そのクレーマーは大きな盾を手に入れます。都合が悪くなったら、「高ストレス」であることを訴え、自分の責任を会社の責任にすり替えることができるのです。
ピアカウンセラーの日々の活躍で
ピアカウンセラーは日々、悩みを抱えやすい人と関わっています。その関わりによって社員・特に悩みがちな人が会社側からの誠意を感じとったり、ピアカウンセラーに感謝していれば、クレームを言おうとは思いません。自分を理解してくれているピアカウンセラーとそれを推奨してくれている会社に対して、その恩に応えようと考えるからです。ピアカウンセラーは1日程度の研修でなることができます。人事担当者だけでなく、管理職、闘病から復帰してきた人などに資格を取得させることで会社の雰囲気がよくなっていきます。ストレスチェックの「高ストレス」と判定される人自体を減らし、予防をすることができればストレスチェックをマイナスを防ぐためではなく、プラスを産むために活用することもできます。