何したらいいの?職場のメンタルヘルスケアの取り組み

メンタルヘルスケア対策って何をやればいいかわからない
最近、電通の過労死を契機に長時間労働問題、過労死自殺についての問題とメンタルヘルスケア業界をにぎわす出来事が続いています。若者の自殺率が異常に高いのは先進国の中で日本とアメリカと韓国だけで異常だと言われます。
だからといって目の前の人をどうやったら救ってあげられるかわからないですよね。それが普通だと思います。それができていればこれほど多くのメンタルヘルスに関する問題が大きなこととして扱われません。
それには、私達一人ひとりという意識の問題もありますが、治療者のほうも本当に辛い人の気持ちをわかって改善させてあげられているかと言われれば、案外、そうでもなかったりします。良くしてあげられる人がいないからこそ、職場にしわ寄せが来ているそんな風にも思えてきます。
そんな世の中にいて、いざ、メンタルヘルスケア対策を職場の中でやろうとしたとき、実際何をやれば効果が出るのかよくわかりませんよね。効果が出なければ何をしていたんだという話にすらなってしまうのが会社という組織です。
それもそのはずです。いざ、何かを取り組もうと思って動き出すと、「私は病気じゃないんで」とピシャっと壁を作られてしまったり、ひどいときには「甘やかすな」なんて言葉も聞こえてくるかもしれません。
それでは、そんな前途多難な担当者さんの手がかりになるようなヒントをいくつかお伝えしていければと思います。
まずは肩書きを与えてみよう
男性は特にあなたの役割は○○ね、と言われると力を発揮すると言われてします。子供に今日からお掃除大臣ねと言って頑張り出せるのと同じように、いい年の大人もこういうところはまだ残っています。
仕事を投げるようにメンタルヘルス対策するからといって、何をすればいいのかわからない状態で渡されてもだいたいは当たり障りのないストレスチェックをやって終わりか、優しい言葉を使いましょう、何かあれば相談してください。ということを告知するくらいです。
それでは職場全体のメンタルヘルスケア対策はうまくいきません。しょうもない役割の名前でいいので、役割を一人ひとりに振ってしまうことです。
- 遅刻、早退が変になっていないか意識する係
- パワハラ、セクハラまがいの事が起きていないか気にする係
- 仕事のミスを慰めてあげる係
こうやっていけばメンタルヘルスケアに対して皆が当事者意識を持つようになります。全員に割り振るのが無理でも、せめて、担当者にはこのような役割や名詞をしっかりつけてあげることがメンタルヘルス対策を職場の中でやっていくという意識を芽生えさせられる簡単な方法の一つです。
やりっぱなしのストレスチェック
去年、ストレスチェックが義務化されたので、ストレスチェックを受けた方、施行した方も少なくないと思います。結果が戻ってきて、ストレス度合いを数値化されたり、それらしい分析の文章が返ってきたと思います。
就活のときの性格診断テストのようにだいたい当たってるけど、だからどうしたらいいのだろう?
病院に行ったほうがいいと書いてあるけど本当に?
守秘義務があり、結局は本人の意志の問題になってしまって会社として何か動き出せるものかといえばそうでもありません。産業医や産業カウンセラーに話を聞いてもらう環境を作ってあげられるくらいです。
もちろんそれも大事ですが、本当に社員のためになってもらわないとしょうがありません。
あまりいい結果でないと病人扱いを受けて社内で悪い立場になってしまう。残念ながら今の日本ではこう思っている人がだいたいであり、実際そのようなことも起きているので、理解があると感じる会社でない限りはそのとおりでしょう。
どう使うかはその会社ごとによって様々だとは思います。やりっぱなしならまだいいかもしれませんが、間違っても、誰かの不利益にならない仕組みを作っておくことがよいでしょう。
“いつもと違う”に敏感に
うつ病の兆候はいろいろあると言われています、遅刻早退、服装の乱れ、ぼーっとしてる時間が長い。それが意識のたるみからなのか、病気の兆候であるかは本人にしかわかりません。
言ってしまえば、そういう傾向のある病気すらあります。
そして、人は意外と思っている以上に他の人のことを見ていません。
そのため、いつものと同じ/いつもと違うことに敏感になるようにしましょう。これは営業などにも使えるテクニックです。いつもと違う様子だとわかってあげることで一気に心が開きます。いつもと違うことがわかったら、一体、何を見て、感じてつらいのか話を聞いてあげると良いでしょう。
このときの最初のポイントは何か指示をしないことです。まずは同じ景色を見て、感じてから、何か行動するのがオススメです。
理解されないメンタルヘルスケア
何かちゃんと行動して会社を変えていこうとしても、やはりネックなのが理解してくれない人の存在です。
理解が広まってきたとは言え、就労支援センターなどでも冷たいことを言われてしまうという話も少なくない状況です。理解できそうな人が理解できないものを、普通の人が簡単に理解できるものではありません。
もっというと当事者の敵が当事者である可能性もあります。あの人よりつらいのにどうしてよくしてくれないんだ、と僻みがでてくるなんてこともあります。
そういう人がいるということを忘れずに、落ちこみ気味の人のための施策という話から始めるのではなく、皆が働きやすい、いきいきと働ける職場づくりという前を向いた指標をもとに行動していくのが良いでしょう。
職場改善はうつ病経験者の声が一番のヒント
会社ごとによって、うつ病の人がつらいポイントというのは異なってきます。朝礼がつらい?そもそも、電話がなりっぱなしの部署がつらい?制度的に落とし穴があるかもしれません。
そういうつらさというのは、想像できても自分の体験としてわかってあげられないので、何がつらいのかどうしてほしいのかということは意外とわかりません。
そんなときは、何がつらいのか、どうしてほしいのか、経験者の声を聞いて考えてみるのが良いでしょう。最初は、そんなとこで引っかかるなんてと思うかもしれませんが、そういう小さいつまずきの積み重ねがうつ病ということもできます。
実はそういうポイントというのは普通の人にとってもつらいポイントである可能性は十分に考えられます。先程申し上げた皆が働きやすい会社づくりという考えをもって、こうした箇所を洗い出してみるというのも効果的でしょう。
社員みんなの存在を大切にしよう
最後になりますが、一番、抽象的な言葉でメンタルヘルスケアを表すのであれば、社員一人ひとりの「存在」を大事にしてほしいということです。今の会社は社員がいるから成り立っているのであり、一人ひとりがいてくれているからこそ、あなたの仕事も回っているのです。ほとんどの物事が自分一人では回っていません。
仕事上能力を評価せざるを得ないのはわかります。しかし、会社の中で存在を大事にしてくれるいい人がいてもいいとは思いませんか?
そんないい人だらけの会社であればみなが働きやすい、メンタルヘルスケアがよくできた会社であると思います。