ネットだけの友達でも心は満たされるの?

インターネットでのうつ病は治るのか?
mixiに始まりツイッター、facebookなど様々なSNSから、掲示板やLINEなどインターネットを使った人の交流の場所はとても増えてきました。そんなサービスのおかげで一人じゃないと感じたり、ステキな考えを持った人と交流できたりします。
メンタル不全者にとっても、以前ほど自分だけ具合がわるいんだと思わなくても大丈夫な環境になってきました。以前はメンタル不全自体への理解も少なく、情報自体も手に入れづらかったため、大変苦労した方もいらっしゃるかと思います。
その一方でよく言われるのが、リアルで、現実で人と交流できない若者が増えているという話です。その原因がネットでの交流に入り浸っているからだとされていたりします。
さらに、これだけ多くの人がネット上でうつ病のつらさを話して交流している割に、とても元気になって病気も気にならないくらいになったという話はあまり聞きません。確かに救われている人もいて、今まではありえなかったような活躍の仕方をしている人もいます。その半面、ネットで見聞きしたものがすべてになってしまって自分の考えを狭めてしまって苦労している方もいます。
こうした両面を持ち合わせているのがネットでの交流といえます。今回はネット上での交流がなぜこのようなことを引き起こしてしまうのかご説明します。
人はだれかとつながっていたい ~所属欲求~
うつ病やパニック障害などで困っている人はつながっているという感覚がとても不安定です。親しい人とは問題なくても、電車の中で自分の居場所がないためにとても不安になってしまったりしてしまうこともあります。職場でも、基本的には仕事ができるかどうかで所属できるかどうかが左右されるため、能力に自信がない人はとても所属に対して不安定な感情を抱いてしまいます。
そんな所属していないという孤独感は大きく分けると2つに分けられます。
社会的孤独感
社会的孤独感とは一般的に外から見える社会に居場所がないということから起きる感覚です。大人であれば、社会人という枠組みから外れたフリーターやニート、引きこもりの方なんかはこういった感覚になりやすいです。
また、男の人というのは社会的なポジションを非常に重要視するところがあり、役職がないということもこの孤独感とつながってしまいます。逆に、役割やポジションがしっかりと名前のつけられたものであるとがんばれてしまうという側面もあります。
この孤独感はインターネットの中でもうまくいけば埋めやすい孤独感であるともいえます。どこかのグループに所属しているという安心感、その中で自分が認められているという感覚は非常に大事なものとなっています。
情緒的孤独感
インターネットで埋め合わせづらいのがこの情緒的孤独感です。
こちらは親密な人間関係が不足していると感じることから生じてしまう孤独感です。比較的、実際に目の前に人がいてこそ、満たされる感覚であり、インターネット上だけでそれを充足できるほど人はまだネットに順応していないようです。
この孤独感を抱えている人はネットの中では、発言権もあって認められている割に、リアルの世の中で誰かが友達同士でうまくやっているのを見るとどことなく居心地の悪さを覚えてしまいます。このような背景から、こちらの孤独感というのは、うつ病のような状態を引き起こしやすいとされており、抑うつ状態になってしまうこともあります。
職場内で孤独感を生み出さない方法
職場内でのメンタルヘルスケアとして取り組みという点で考えてみると、まずは面と向かっての挨拶をきちんとする。一人ひとりに簡単な役割をつけることです。
このとき、あいさつなどはちゃんと目を見て行うように心がけてください。パソコンなどで作業をしながらあいさつをするというのが普通になってきていますが、だからこそ、情緒的孤独感をいだいている人が増えています。そのため、きちんとしたアイコンタクトが必要となってきています。朝礼のような関係性のアイコンタクトではなく、きちんと一対一の関係での挨拶が大事でしょう。
その上で、自分はこの会社にきちんと所属しているんだという感覚を持ってもらうために、どうしてもその人じゃないとダメな役割を作ってあげてください。
復帰直後の人であれば、同じように復帰した人の話を聞いてあげること。そして、それをきちんとした形でまとめること。
掃除や雑用であると誰でもいいという感覚を抱いてしまい、逆効果になってしまうこともあります。きちんと任せてその人の指示があればグループはちゃんと動くというくらいの役割をきちんと一人ひとりに与えてあげるのが良いでしょう。