うつ病の人との接し方といい施設の見分け方
今のうつ病治ると思いますか?治らないと思いますか?
うつ病の方は基本的には自分のうつ病というのは治らないと思っています。特に、病歴が長くなってくるとその傾向はどんどん増していきます。
ですが、実際に元気になっていくのは自分は治るんじゃないかと思っている方が多いです。病気だから、もうどうしようもないと思ってお薬を一生懸命飲んでいる人はいつまで経ってもちゃんと元気になりにくい傾向があるとされています。
これは精神的な病気に限らず、普通の風邪から骨折からのリハビリ、大きなガンまでこういった傾向があります。
よくある気の持ちようで元気になるというのは本当のことであるといえます。心から治るし元気になれると信じられないから問題ではなるのですが・・・
そして、実は周囲の人がどう思っているかというのも影響してきます。
うつ病の人との接し方
よく「頑張って」と言っちゃいけないなどと書かれていますが、あれはあくまで対処療法的な言葉選びの一つです。受容と共感をしましょうというのは月並みな言葉ですが、まさにその通りとも言えます。
「大丈夫?」と聞くのも、「何が嫌なの?」と聞くことも、大丈夫じゃないからうつ病なんだ!と言われてしまえばおしまいですし、刺さる言葉がなんであるかはわかりません。
受容と共感をすると、本人は存在を肯定された気分になります。何が出来る、できないという話ではなく、こうやって生きていてもいいんだ、うまくいくとそんな風に思えてきます。
つまり、本人の存在を肯定する言葉遣いをしてあげればいいのです。「頑張って」というのは、大体の人が使うときは「何か出来るようになってね」という能力的なニュアンスが含まれてしまいます。
肯定されたと感じる言葉の一つが「ありがとう」です。今日もお話してくれてありがとう。ここまで来てくれてありがとう。そんな風にありがとうを積み重ねてあげるのです。感謝するべきは、気を使われた方と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。ケアする人というのはそもそもケアされる人がいてこそ成り立つものであり、ケアする人もそれで支えられているのです。
存在を大事にしてあげるというのは、先程申し上げた治ると思っていれば治るという話にもつながってきます。治るか治らないかは問題ではない。君は君でいてくれることに意味があるんだというメッセージにはとても強い力があります。自分のことを大事にしてくれる人がいる、そのことがはっきりわかったときに人は「ちゃんと元気になろう」と思えるのです。
さらに言えば、その人の能力を今以上に引き出せることにもつながってきます。それくらいの力が存在を肯定するということには隠れています。
会社でうつ病などのメンタルケアを行うときには、「存在を大事にする」ということを念頭においてやってみてください。
存在を大事する施設、しない施設
少し話は変わって、どんな施設にケアを依頼するとうまくいくのかどうかということをお話します。
施設の選び方も同じでその人の存在を大事にしてあげるかしないかです。
施設の人が元気のない人をケアの必要な弱い人と見るか、今は元気ないけど少ししたらとても元気になる人と見るかは大きな違いです。
近頃は支援施設もビジネスライクにやっているところも少なくありません。そこで働いている人も仕事だからやっているという程度の認識であったりします。そんな施設のスタッフは受容も共感もできていないのです。
ホームページに書いてあることはだいたいいいように書いてあります。
専門家じゃなくても、その施設でやっていることが本当に利用者のためになるかどうかというのはなんとなく感覚でわかると思います。おそらく、その感覚は正しいです。
施設で行われることも一定の効果はあります。しかし、それがいざ日常生活に戻ることを考えると、どうなんだろ?そんな気持ちはあながち間違っていません。
良い施設というのは、もっと先を見据えて、利用者さんのことを元気にしてあげています。
目先のいいことより、未来のいいこと
マシュマロテストという有名な心理テストがあります。
そのテストでは、部屋の中で、子供にマシュマロを見せて、戻ってくるまで食べないでという指示をして子供が待てるかどうかで将来、成功する可能性が高いかどうかを図るものです。
このテストの結果では、すぐに食べちゃう子は成功しないと言われています。目先の利益に負けてしまうからです。この実験結果は日常生活においても有効とされていて、先の未来の為に動けている人というのはとても活動的で成功しています。
目先の病気を治すというのはとても大事なことでありますが、そのためには病気のことよりも病気が良くなったら何をしたいか、どんなことができるのか、そんな風に未来のために、接してあげられることがメンタルケアの業界では特に大事であると思います。