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最近増えているちょっと普通じゃない人

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会社の中や通勤をしているとどうしてもちょっと普通じゃない人というのがいますよね。人の気持ちを全然考えなかったり、突然奇声を発する人もいたり、なんでそんなタイミングでそんなことするんだろう?という人は割とよくいます。

そんな「普通とは違う人」というのは、いろんなきっかけがあるかもしれませんが、ちょっとした発達障害を抱えていることがあります。最近、そんなちょっと普通じゃないなーと思う人が増えてきているのです。

発達障害とは

脳には記憶、表現、知覚など様々な機能があります。それぞれの機能はネットワークのようにつながっていて、子供から大人に成長するに従って、社会でうまくやっていけるようにそのネットワークの回路が発達していきます。

発達障害というのはこのネットワークの発達のバランスがどこか極端になってしまっているアンバランスな状態と言えます。その結果、発達障害を持っている人というのは「普通とは違う人」のようになってしまい、世の中でうまくやっていけずに生きづらさを感じたりします。

わかりやすい症状として現れるものは、感覚がとても過敏になってしまうことや人への極端な無関心などが挙げられます。これも反対に現れることもあり、感覚がにぶすぎたり、人への興味がありすぎてしまうということもあります。どちらに振れていたとしてもそれは「普通とは違う人」に見えてしまうでしょう。

この「普通とは違う」という状態と「個性」というのは判別するのは難しいです。何か集中しすぎてしまう特徴があったとして、それはいろんなことに気を使いながら仕事をしないといけない環境では際立って「普通ではない」人になってしまいます。しかし、その一方でとてもミスすることの許されないもはや「普通ではない」集中力を要求される環境では個性どころか、とてもいい長所にもなりえます。

発達障害の原因

発達障害が起きてしまう原因というのはまだはっきりと明らかにはなっていません。育った環境、遺伝要因に相関関係があるとされています。親子で発達障害というケースもありますし、突然、発達障害持ちの子が育ってしまったということもあります。

しかし、感覚的にも発達障害持ちと思われる人は増えてきているので、現在の社会というのは発達障害を引き起こしやすい何かしらの原因があるのかもしれません。

対処法

まずは薬で抑えられる症状(特徴)は薬で対応します。極端な不安感や無気力感というのは脳の仕組みの機能的にドーパミンが出にくく育ってしまっている場合もあるので、足りない栄養を補うように抗不安剤を服用したりします。

また、人の気持ちがまるでわからないというような症状については薬で改善させることは難しいので、ソーシャルスキルトレーニングという対人関係をよくするためのトレーニングがあります。

このトレーニングでは、一歩ずつこういうことを言うと人はこういう気持ちになるんだということを言語化して、伝えあうことで人の気持ちを少しずつ理解していきます。

メンタルヘルスと発達障害

ひょっとしたら、職場の中にこんな風にちょっと変わった人が心を病んでしまっているかもしれません。

本人の自覚の有無にかかわらず、発達障害を少なからず持っている人は何かできないことがあります。そのできないことでいつも躓いてしまって、自信をなくしてしまったりして無気力感や強い不安感を抱いてしまっていたりします。

どんどんつらさが溜まっていき、軽いレベルであれば不眠の症状が出たり、常に気持ち悪かったりする適応障害のような状態に始まり、パニック障害やうつ病のような状態になっていってしまっていることもあります。

周囲の人も出来てほしいことが出来ていなかったりするので、イライラや不満感をつのらせて職場の雰囲気も悪くなってしまっている可能性もあります。

ちょっとギスギスしていると、他の人もちょっとやられてしまい、よくない連鎖が続いてしまうということも起きてしまいます。

うつ病の原因が発達障害だとしても・・・

蓋を開けてみると、どうしようもない無気力感の原因が発達障害であったということも起きます。その判断は専門家でも難しいとされています。

しかし、会社でできる対応というのは、その社員が発達障害であるかどうかというのは実はさほど大きな問題ではありません。

もともと運動が不得意な社員に、運動能力が必要とされる仕事をお願いしてしまっていては、成果が出せない本人がツライだけでなく、会社としても成果が出ないのであまりいいことは起きません。

そんな単純な話と同じレベルで発達障害においても同じことが言えるかもしれないのです。

要するに、会社として利益をあげることが目的である以上、ちょっと困った社員がいるということをどのように活かせば会社のためになるのか、を考えていけばよいのです。

もちろん、本人が多少の努力はして、いわゆる「普通」に合わせてもらうというのは必要なことです。何か仕事をお願いする側の人も普通の人ですから、いろんな可能性がある人に対して細かく対応している余裕はないと思います。

反対に上司が発達障害であるなんていうこともひょっとしたら、あるかもしれません。

上司になれてしまうくらい能力が秀でている分野があるかもしれないというのが発達障害の特性の一つでもあります。

できない人がいて、その人だけ特別扱いして出来る分野をあてがってあげるというのは少し不公平な感じがするかもしれませんね。実はそこが大事なのです。

普通の人が普通に困っているのが昨今のメンタルヘルスの現状です。

皆がみんな自分ができる分野の仕事をやっている会社というのは発達障害や人種なども関係なく皆がイキイキと仕事をしているはずです。きっと、その困った社員をなんとかしたいというゴールの先には、皆がちゃんと働けている環境だと思います。

職場の改善をするために何かが悪い原因を探していくのも悪いこととは言いませんが、どんな風になっていたらいいのか、それを実現するためにはどうしたらよいのかそちらから考えてみることで、会社にいる「ちょっと困った人」も「普通の人」になることでしょう。

 

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