人を変えるにはまず自分からってどういうこと?

どうしてもうまくいかない人間関係
職場の中でのストレスの多くは人間関係にあると言われています。人間関係と一言で言っても、上司部下の関係なのか、同僚での関係なのかで見え方感じ方はいろいろだと思います。
問題は、その苦手としている相手が自分にとって割りと不都合であるということです。上司の立場であれば、部下が言うことを聞いてくれない。メンタルケアの文脈だと普通にお願いしているつもりなのに、パワハラだなんだと言われてしまう。価値観がそもそも合わないという話あたりがよく聞くものです。
部下と上司の関係だと、その逆でそんな話は聞いていないとかしっかり管理してから仕事をふってほしいなど、どちらの関係も延々と昔から受け継がれてきたループでしょう。
いろんな人間関係のパターンでそれぞれにおいてうまくいくいかないはあるでしょう。そんなとき、あなたは「あの人が悪いから、私がうまくいかないんだ」と考えていたりはしませんか?
百歩譲ってあなたが100%悪くないとしましょう、社会通念的にもなにも間違っていない。だとしても、相手がイヤでイヤで苦しい。変わってほしくても変わってもらえない。だからこそ、ますます苦しい。
実はこんな状態だとよほどのことがない限り相手が変わってくれることは残念ながらありません。とてつもない権力が介入してくれるくらいのことがない限りないでしょう。
人はみんな違うということを理解しよう
一つの物事をとってみても、人にはいろいろな価値観があります。タバコが好きか嫌いか、ピーマンが好きか嫌いか、倫理観も人によって様々です。意外と盲点なのが、そんな風にいろんな価値観の中の一つが自分であるということの感覚です。
つまり、そもそも自分が何が好きで嫌いなのかがわかっていないことがあります。これも反対から見ると、わかっていない人がいるということをわかることも大切です。
価値観がわかると、嫌な感情を抱く自分を少し距離をおいてみることができます。そして、相手が自分とは違う価値観で接してきているからツライのだということもわかってきます。
価値観がわかったら、対応を変えてみよう
よく周りを見ていると怒られたり、嫌なことがあったあとの対応の仕方というのは人によって様々なことがわかります。
怒られた後、ちゃんと反省しているそぶりを見せる人、ふてぶてしい人、泣いてごまかそうとする人、いろんな人がいます。そして、その一人ひとりに対して、その人間関係というのは絶妙に変わってきます。
私達が苦しいと感じるスポットは実はかなり限られているパターンのやりとりの中での人間関係なのです。
そして、ここに自分を変えるチャンス、相手を変えられるかもしれないチャンスがあるのです。
もし、あなたが普段、怒られているときふてぶてしい態度をとっているのであれば、あなたの価値観に沿って、いっそ泣いてごまかしてみることを試してみるのです。そんなことをしても相手は変わらないかもしれませんが、そんな風に少しずつ対応を変えていくとそのうち相手が対応を変えてくるスポットがあるはずです。
逆に考えてみるとわかりやすいでしょう。いつもなら、ちゃんと「ハイ」と返事してくれる人が「はぁ?」と返してきたら、ムッとしたり、ビックリしたり、いつもとは違った感情が引き起こされるはずです。
それこそが、嫌な人間関係を変えるチャンスであり、人を変えるのではなく、自分が変わるという言葉の意味なのです。
お願いしてもやってもらえない
仕事をお願いしても、きちんとやってくれないというのも仕事ではよくある人間関係の悩みです。
大前提として、人は仕事であってもやろうと思わなければやりません。
そして、仕事というのは言い方は様々ですが、命令形でお願いされることが多いです。そして、自分で動いてもらえることが理想です。しかし、実際は自分で動けるという社員が減ってきています。
そこで、自分がモヤモヤしていて相手に厳しく当たっても相手はお願いされたこと以上はやらないという価値観をもとに動いているかもしれないので、のれんに腕押し状態です。
そんなときは、「どうしたらいいと思う?」と疑問形で伝えるのがおすすめです。いわゆる、Iメッセージといわれるもので、「あなたがやる」というメッセージは伝わっても相手が納得していなければ動いてもらえません。
残念ながら、相手は人なのでやろうと思わなければ、テコでもやりません。
そんなときに、うまくやるにはどうしたらいいのか自分で考えてもらうことで、自分で動き出すきっかけが生まれます。
ポイントはアドバイスはしない
自分で考えてもらって、そのとおりに行動し始めている人にやってはいけないのが、アドバイスをしてしまうことです。それだと、結局、アドバイスをする人の言うとおりにやらなければならないことになって、結局、命令されているのと同じことになってしまいます。
基本的なことは教えなければならないかもしれませんが、それ以上のことというのはどうしたらいいと思うか、疑問の形である種の禅問答のように自分で考えてもらうというのが、今の社会で課題になっている自分で考えて動けない社員を減らす一つの方法でしょう。
いじめられる派遣社員問題
今までの話にそって考えると、常に派遣社員をいじめてくる人がそこにいます。自分の権力を持ってして、「弱そう」に見える人にちょっと高ぶってみせるのが心地よいのでしょう。
もちろん、話としては相手が100%悪いです。ちゃんと交渉しても変わってくれないなんてことはザラにあるでしょう。
そこであなたができる対応というのは、いじめられているイメージの人の態度をとるのではなく、いっそ、その逆くらいのイメージで接するのが良いでしょう。それはもしかしたら、喧嘩腰に返事をすることかもしれないですし、弁護士の影をちらつかせて相手をビビらせることかもしれません。とにかく、ひたすら自分の中での対応を変えるのです。
なりたい自分になっていけるのが理想
人間関係というのはどうしてもストレスが溜まりやすいものです。
しかし、相手は変わってくれないのでそのストレスからは逃れられないと思いがちです。これは自分に対しても同じことがいえます。
常に、自分がこうありたい理想の自分だとしたら、どんな行動をしているだろうかと頭に思い浮かべてから行動してみるのです。
そうすると、良くも悪くも自分が変わっていくので、相手も自分に対しての態度を変えざるを得なくなります。その結果、自分は理想の自分になっていき、人間関係のストレスも減っていきます。
まずは、自分が変わる、人間関係で嫌なことがある人は少しここを意識してみるのがよいでしょう。
特にメンタル不全から元気になった人というのは、少なからず、自分を変えるという経験をしています。そんな風に自分を変えられた経験のある人の話を参考にして、職場の人間関係のストレスを解消していける制度づくりを行っていくのがよいでしょう。