残業時間とメンタルヘルス
メンタルヘルスケアや昨今の長時間労働問題において、残業時間というのは切っては切り離せない問題の一つと言えます。
残業時間が80時間を超えているのが発覚すると、その企業が公表される制度も始まることが決まっており、労働へのコンプライアンスがどんどん厳しくなっていっています。少し前はいろいろなハラスメントが問題としてあげられていましたが、それだけではなく、時間や雇用体系などにも社会の視線が集まっていくことが考えられます。
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残業時間は減らせると思って減らす
実際に残業時間を減らそうという動きをしてみても、どうしてもお客さんの都合があったりして、対応できていないといけないからと言うような会社や部署によって様々な問題が出てくるはずです。しかし、そこでだから無理と諦めてしまっては何も改善しません。お客さんからの無理難題の要望をなんとかしてきた発想力を自社の中での改善の方向に向けるのです。それが今、社会に求められている上司や管理職の「仕事」の一つです。
残業を減らそうという動きは日本全体で起きているのでおそらく他の近いような事業をしている会社で残業を減らした実績があるところがあるはずです。その会社がやったことを参考にしながら、まずは簡単なところから減らしていくのがよいでしょう。
残業代はコストであるという認識
残業時間を減らしていこうとすることに抵抗する人も出てくるかもしれません。確かに、額面の給料は減るので金銭的に問題が出てくるでしょう。しかし、会社の経営サイドからすると、残業代の割増賃金というのはコスト以外の何物でもありません。そして、長時間労働は生産性を低下させるだけじゃなく、過労による心身への問題、さらにはメンタルヘルスの問題というリスクもはらんでいます。そこまでのリスクを背負って残業を認め続けるのは現状の日本では少しリスキーです。そのため、しっかりとコストであるという認識を持って、積極的に労働時間の短縮を図っていきましょう。
管理の仕方で労働時間は変わる
能力の問題で残業時間が伸びていると感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、そのうちの何割かは時間をマネジメントすることで解消されます。
いわゆる、業務の”見える化”を図り、情報共有と管理をきちんと行うことで今まで発生していた細かなムダというのが解消されていきます。
管理者はいろんな引き出しを持っていた方が良い
メンタルヘルスについての知識、社員のモチベーションアップ、自分の仕事についての知識、部下の管理と管理職に求められている事柄はどんどん増えていっています。自分の仕事に手一杯というようでは今の社会では変化を求められているスピードに対応しきれていないというのが実情であるともいえます。
そのため、きちんと管理職である責務を果たすためにも、いろんな変化や情報に対応していける引き出しの多さがあったほうがよいでしょう。
わからないことはわかる人に任せる
そうはいっても、わからないことがあるというのは仕方のないことです。しかし、そこでわからないことだとして、そこで切ってしまっては引き出しが多い上司とはいいづらいです。それならば、いっそわかる人に任せてあげるということも選択肢の一つです。
任せられた方も自分の役割をしっかり自覚できるので、責任感も生まれます。人はきちんと自分の役割を持てていない気持ちのときはどこか不安な気持ちを抱いてしまいますが、逆に役割意識をきちんと持てることによって、その人が持てる能力をしっかり発揮することが出来ます。
特にわかりづらいメンタルケアの問題を経験者など寄り添いやすい人に任せてあげるということは、任せられた本人にとっても会社にとってもよいことを生み出すいい選択の一つでしょう。