メンタルヘルスチェックにもなる人事制度
このページの目次
労働安全衛生法
これから新年度を迎えるにあたって、人事評価や部下の評価をどのようにしようか考えている方もいるでしょう。昨今のメンタルヘルスへの注目の高まりもあり、もしかしたら部下に、あるいは自分も当事者になってしまうかもしれません。単純に休みを増やそうという社会の流れもありますが、実際簡単に仕事の時間を減らせるのであれば苦労はないというのが会社の中にいる人の感覚でしょう。しかし、労働安全衛生法という法律では、
労働基準法第42条の「労働者の安全及び衛生に関しては、労働安全衛生法の定めるところによる」との定めを受け「職場における労働者の安全と健康を確保すると共に、快適な職場環境の形成を促進する」ことを目的として制定。最低の労働条件基準を定める取締り法規であり、違反した場合は一定の範囲で刑事罰の対象とされる。
と規定されています。どうしたらいいのかはっきりとした答えもないまま責任だけが管理者にふりかかってくるばかりです。どうにも困ってしまう問題ですよね。
仕事の内容を細分化してメンタルヘルスチェックする人事制度
あなたの会社には人事評価制度はきちんと可視化されていますか?実はこの人事評価制度をうまく利用してメンタルヘルスチェックができるのです。
メンタルヘルスにおいては、働く人が「いつもと違う」ことに十分気をつけるようにうたっています。具体的には
仕事能率の低下
仕事のミス・ロスの増加
遅刻・早退・欠勤の増加
人付き合いを避ける
他人の言動を気にする
口数が減る(または増える)
考え込むようになる
ささいなことで腹を立てたり反抗する
などがあげられます。人事評価制度でチェックできるのこの中の仕事のミスやロスです。普段、契約書の書類に不備がない人が突然、ミスが多くなってきたらどうでしょうか?何か具合がわるいのではないかな?と思いますよね。そういった些細な変化を見過ごさずに定期的にチェックできるのが簡単な仕事内容のチェック体制です。
安全配慮義務を達成できる
建前は単純な人事評価制度で成績が変に悪くなってしまった人に対しては、面談を行って様子を伺って見るようにしましょう。変な話にはなりますが、遅刻グセがある人が遅刻するようになるのと、遅刻グセがない人が遅刻するようになるのでは重みがまるで違います。だからこそ、変化に敏感になるというのが何よりも大事です。面談の中で調子が落ちている原因探しをするのではなく、なるべく相手の様子の変化を聞き出せるように注力するのです。もしかしたら、うつ病などの前触れかもしれませんし、単純に職場環境がうまく行ってなかったり人でが足りなくなっていたり、いろんな原因が考えられます。
労ってもらえたり、認めてもらえると嬉しくなる
面談の中で困っていることがあるようであれば、まずはそれをきちんと受け止めてあげることが大事です。人は無条件に労ってもらえたり、認めてもらえることで嬉しくなって、少し頑張れるようになります。そして、努力でどうしようもない話であれば、手助けを送ってあげることができれば、助けてもらえた人は会社に必要とされているのだと感じることが出来てもっと頑張れるようになります。
認めてほしい人がたくさんいる
メンタルヘルスの原因の一つには数字ばかり見られるようになって個人の様子をまるで見てもらえないことがあげられます。メンタルクリニックに行っても病状は見てくれますが、実はその人自身のことは時間の制約もあってきちんとみてあげることができません。そうなると、その人がずっと元気で働けるようになるには、医者でもなく、友人でもなく、一番長く接しているかもしれない会社の人との関わりです。
「どうして何もしてないで困っている人が助けられて、死ぬほど頑張っても誰も助けてくれないんだ」という気持ちが普通の人たちの中にあふれている今の世の中において認められるというのは非常に大事なことだと思います。
簡単にクリアできる評価基準があることはそれをクリアできるという簡単な達成感もあり、きちんと一人ひとり見てもらえている感覚を従業員一人一人に与えることが出来るとてもいい制度です。
最初は機械的でもいいかもしれません、きちんと一人ひとりの仕事ぶりを管理するという意味でも簡単な仕事のチェックリストを作ってみてはいかがでしょうか?