メンタルヘルスケアでも使えるグラフィックファシリテーション

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部下とのコミュニケーションでも使えるグラフィックファシリテーション
先日、2時間位に及ぶ打ち合わせをしました。人数は4人位で気心がしれていた間柄だったので、打ち合わせ自体に特別抵抗はありませんでした。しかし、いつもみんないいこと言うのにそれがどんな話だったのかが打ち合わせが終わった後に思い出せずに結局無難な話に落ち着いてしまうのです。そうでなくとも、30分位の話の内容ですら私たちはお互いの意見の齟齬なく意見を交わすことは難しいです。こういうことだよね?と確認すると、そうじゃなくて、と聞いていないような話が出てくこともあります。
気心がしれていればいいですが、会社の中でしょっちゅうそんなことをしていたら生産性が悪く仕事をする時間が削られてしまいます。そんなときに使えるのが打ち合わせや会議の内容を可視化するグラフィックファシリテーションなのです。
なぜグラフィックファシリテーションが効果的なのか
グラフィックファシリテーションとは、会議や打ち合わせの中で出て来る話を紙の上で箇条書したり、系統立ててまとめたりするライブペインティングのような議事録のとり方です。
一度ててきた話は、紙を見ると書いてあり、あの話のことは、、、と同じ話を堂々巡りしながら説明したりする手間が省けて、お互いの共通理解があるまま話を進められるのでとても生産的な会議をすることができます。
人は自分が思っている以上に人の話を聞けていません。見た目が8割なんていうくらい資格情報に頼っているため、耳からの情報を精密に扱うことは難しいです。そんなときに、大きい紙に誰もがわかるように話の流れが整理されてまとまっていると、資格情報としても頭のなかで話が整理されて取りこぼすことなく会議の内容を理解することが出来ます。
メモを誰もとらない会議
手元に資料はあっても話の内容を誰もきちんとメモしないで会議をしてしまうとどうなってしまうでしょうか。おそらく、あの人の話は難しいとか、そんな無理な要望をとか、話の内容以外のところでも口を挟まれてしまいます。挙句の果てには誰も聞いていないなんて言うこともあるかもしれません。一生懸命みんなが発言した会議であっても、その発言が四方八方に広がって、目的地のないダラダラとした会議になってしまうこともあります。アイデア出しの発散型の会議であればいいかもしれませんが、何かの意思決定をしないといけない会議ではそれでは時間もかかってダラダラとしてしまいます。
可視化されると価値観の共有がしやすい
話が可視化されていると、一度出た話が今回の会議ではどういう立ち位置になるのかわかります。本題のテーマのどこに関係していて、何か問題点があるのか、どことどこを解決すれば実行できそうなのか、そんなことが参加者全員と視覚て共有し合えます。ある意味証拠として意思決定の根拠が残ります。
意見が食い違う人が出てきても、どこが意見が合わないのか何が問題となっているのか、それをしっかりと考えることができるので、ただ単に好き嫌いで言い合う意見の食い違いとは違う、さらに議論を深めていけるような場にすることもできます。そんな風に価値観を共有して、考えていることの統合を図るのがこのグラフィックファシリテーションの力なのです。
何を考えているかわからない人とも理解し合える
実はこのグラフィックファシリテーションはメンタルヘルスケアの文脈でも使用することが出来ます。人は悩みがありすぎてしまうと、自分の考えを自分で整理できなくなります。言いたいことがとっちらかっている会議みたいな状況です。そんな人とでも、お互いの話をきちんと可視化していくことで、お互いに何が必要なのかが自ずとわかってくるようになります。会社としては○○である。個人としてはこういう課題がある、その背景にはどんなことがあるのか、そんな風に話を深めていくことが出来ます。可視化されていていいことは、質問のほとんどが指を指して「これはどういうことなの?」で済んでしまうことです。相手が口で言いづらいことであれば書くことも出来ますし、質問の仕方で角が立つようなことも比較的少なくて済みます。
共感するための技術
グラフィックファシリテーションは一度やってみて、何度も何度も書いてみることが上達への一歩です。上手にできなくても、何も書かれていない会議よりは断然によい会議になるのでまずはやってみることをオススメします。そして、書くときに相手の気持に共感しながら書くことができればますます意見を通わせるのがスムーズになります。少し話を聞いただけではわかりあいづらい人と共感する仕方をピアカウンセラー養成講座ではお伝えしてします。仕事をしているといろいろな場所でもとめられる「共感」。言うは易し行うは難しなものですが、これを機に書く力と聴く力を同時に磨いてみませんか?
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