パニック障害の苦しさを会社に理解されない
パニック障害の苦しさを理解されないつらさ
50歳の元サラリーマンです。36歳のある日、いつものように、夜9時頃、会社から、電車に乗って帰宅している際に、原因不明の呼吸困難、激しい吐き気の発作(パニック障害)に見舞われ、電車内で倒れ、救急車で運ばれました。翌日、大きな病院で、精密検査は全く異常なし、原因はわかりませんでした。会社からは、なにが原因か、早く出社しろと、催促の電話が毎日のようにかかってきて、精神的にかなり追い詰められました。しかし、出勤しようとして、電車にのろうとすると、発作が起こり、会社にいくことができませんでした。ある日、偶然にも、受診した内科が心療内科も兼ねていて、医師から、これはパニック障害だと診断されました。数種類の抗精神剤が処方され、1週間、会社を休みました。
その後、人が少ない早朝なら通勤ができることがわかり、毎日、始発で通うようにしました。
パニック障害を理解できない会社
会社では、1週間休んだ理由について、パニック障害という病気になったということを説明しましたが、上司は、全く、納得していないようでした。私自身、混雑した電車や交通機関を利用すると、パニック障害の発作が出るので、なるべく、その時間帯の外出や出張を避けていたのですが、上司からは怠慢と見なされ、ボーナスや昇進で不利な評定をつけられました。
私は、パニック障害がWHOでも認められていることやその内容が載ったインターネットの画面をプリントアウトしたものを見せたりしましたが、上司は、そんなのは単なる気のせいだろう、と相手にしてもらえませんでした。そのうち、上司から、早朝に出勤することを禁じられました。全く、その理由はわからず、単なる、いやがらせとしか思えませんでした。通常の時間に通勤するように、練習しても、そのたびにパニック障害の発作が起こり、会社を1ヶ月休むなどを繰り返し、とうとう、昨年、病気欠勤の期間満了で強制的に退職させられました。
社会はパニック障害に冷たいと感じた
パニック障害の発作は本当に苦しいです。しかし、世の中では、そのことが認識されていません。障害年金についても、精神疾患と認められていないパニック障害だけでは、申請することができないのです。パニック障害になってしまい、会社を定年前に退職し、次の仕事も見つからず、本当につらい人生です。
パニック障害当事者と会社との前提の違い
今の日本ではマイノリティーの人とあわずにすむ仕組みがあります。元気に生活している人は滅多に知的障害者にも身体障害者にもそして、精神障害者・心の問題を抱えている人と接することはありません。10人に話しかければ、10人が同じような答えを返してくる環境で、ひとりだけが「パニック障害で」と言い始めても意味がわからないのです。ピアカウンセラーの活躍場所はここにあります。会社の立場を理解し、当事者の理解してもらいにくい気持ちや状況を会社の人に伝える。伝わらないながらも橋渡しをする。ピアカウンセラーが機能している会社では元気な社員に負担を強いることもなく、パニック障害で苦しむ人をさらに苦しめることもなく、上手に折り合いをつけられるようになってきます。