コミュニケーションこそが職場における一番のセルフケア
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職場におけるコミュニケーション不足が課題
働きやすい職場づくりや職場活性化などが多くうたわれるようになってきており、管理職が部下のメンタル面のケアを行うことが必要な世の中になってきています。実際には専門的な研修を受け、相応の訓練をつまなければなかなか全員ができる状況を作るのは難しいでしょう。そのため、社員一人ひとりがストレスに対するセルフケアの意識を持って、自己管理を行い、社員同士で円滑なコミュニケーションを行っていくのが、働きやすい職場づくりと職場活性化への近道とも言えるでしょう。
うつ病が多い会社の特徴
働きやすい会社の特徴はなんとなく思いつくかもしれませんが、具体的にストレスフルな職場の特徴というのは気づかないものかもしれません。もし、該当する項目があって、すぐに改善の方向に動かしていけることがあれば明日からはじめてみましょう。
社員同士があいさつをしない
出社時や退社時にきちんと挨拶していますか?なにも挨拶がないのが問題であることは社会のルール的にもわかりますが、挨拶をしてもかえってこないことや誰も顔を少しも向けないという状況も問題です。もし、自分が新しく入社したとして、顔すら見られずに適当な挨拶で済まされて、あしらわれてしまったらどんな感じがしますか?
そんなもんだろうと納得するかもしれませんが、そんなことが毎日続いているということが少しずつ気持ちを落としていく可能性があることを体感的にわかりますよね。
教育の不徹底
うつ病というのは、ストレスが積もり積もってコップの水があふれるように発症するとも言われています。
そのコップの水というのは怒られている瞬間よりも、怒られてしまったことを考えている時間のほうが溜まっていきます。怒られた瞬間が10のダメージだとすると、思い出して10、家に帰って10・・・こんなふうにどんどん溜まっていきます。
ましてや、教育の不徹底によって引き起こされたミスに対する叱責であれば、どうしても防ぎようがなくなってしまうので、その恐怖に怯えてしまう時間がどんどん長くなっていき、うつ病やメンタル不全への危険性を高めていきます。
長時間勤務
言うまでもなく、疲労というのは人にダメージを与えます。思考力は低下していき、前にも書いたように、悪いことをぼーっと考えてしまったりします。こうして、少しずつ少しずつ身体と精神状態をおかしくしていきます。
この問題はすぐに改善することは難しいかもしれません。それでも、作業のプログラミング化やシステマチックに作業をする、労働の中に遊びの要素を取り入れたりするといったことは、労働環境の改善につながるだけではなく、正確さなどが高まっていき会社全体の利益にもつながっていきます。
作業自体の量は変わらなくても、気持ち一つで長時間労働すら大きく変わるということを覚えておくとよいでしょう。
デスクワーク中心
意外と単純に見過ごされがちな問題がデスクワーク中心の労働体系です。人間がこうしてデスクワークを始めたのは歴史的にかなり浅く、生物的にデスクワークというものにそこまで適応していません。実際に、長時間座っていると引き起こるエコノミークラス症候群、身近な問題であると肩こりやむくみなどがみられます。
身体を動かしている人が健康そうに見えて、デスクワークばっかりの人が健康そうに見えないというのもイメージからもあてはまることだと思います。
セルフケアの大切さ
簡単にうつ病が多い会社の特徴として言えるのは、コミュニケーション不足です。
黙ってモクモクと作業しているのが苦痛だけど少し和やかに会話しながら作業していると少し気持ちが楽になる。人間というのはそういう簡単なことの積み重ねでよくもなったり、悪くなったりもします。
しかし、人間は社会に生きる生き物です。明日から会社が変わってくれるとも限りません。そのため、自分だけでできるストレスへのセルフケアをご紹介します。
セルフケアは自己管理
セルフケアとはまず自分を知ることから始まります。自分がどういった気分なのか、体調なのかそういったことに敏感になることがセルフケアの始まりといえます。それは精神面というのは他の人からどういう状況なのか把握しにくいことが挙げられます。元気そうに振る舞ってはいるけど、実はちょっと疲れているというような経験がある方も多いのではないでしょうか。このように自分の状態と見られている状態とは異なってくるので、ますます自分がどういった状態であるのかを見極める力というのはセルフケアにおいては非常に重要となってきます。
メンタルヘルス対策は早期発見が何より大事
先程、コップの水の例でもご紹介しましたが、見ないふりしてそのままにしておくことが何よりも危険です。コップの水が一度溢れかえってしまうと、人生をかけてメンタル面での不調と向かい合うことにもなりかねません。
そして、早期の状態であれば比較的簡単に対処することも可能です。ちょっと悩み事があれば人に話してみる、身体を動かしてみる、そうした簡単な対策ができる元気のうちに日頃から行っていることが大事です。
具体的なセルフケアの方法
よく食べて、よく寝て、よく身体を動かして、よく笑いましょう。
簡単に言われていることですが、こういったことこそが大切です。食べ物に関しては、バランスのよい食事をとることが推奨されています。そして、対策が比較的わかりやすく簡単です。
睡眠は少し難しいですね。仕事も立て込んで家庭でもいろいろあって寝ている時間がない、そんなときに身体を動かすくらいの効果があるのが、ヨガでも用いられている呼吸法です。
腹式呼吸というのは深くゆっくり行うことで心身をリラックスさせる効果があります。これはパニック障害にも有効とされている対処法です。浅い呼吸だと気持ちが落ち着いてきません。忙しく生きていると自然と呼吸が浅くなっているので意識的にゆっくりとした呼吸をする時間をとることが大切になってきます。
この4つを繰り返して5分位行います。呼吸をしていると頭に考え事が浮かんでしまいますが、そういう考えが浮かんできてもそっとしておいて、改めて呼吸に意識を集中し直してみてください。
日頃からこの呼吸法になれさせていると、非常に高い効果のゆったりとしたリラックス効果をどこでも再現できるようになるので、セルフケアには非常に有効になってきます。
職場でコミュニケーションを多くして、お互いセルフケアしよう
自分だけでのケアができるようになったら、今度は職場の雰囲気を少しずつでも改善していきましょう。
挨拶をしてくれる人がいたら顔をそちらに向けて、反応をする。そんな簡単なことからでも、コミュニケーションを意識的にとるようにしましょう。会話をすることだけがコミュニケーションではありません。穏やかで優しい雰囲気を自分がまとい始めることだけでも、周囲の雰囲気が良くなっていきます。
コミュニケーションのルール
いわゆる会話におけるコミュニケーションにもルールがあります。
①相手を尊重する(双方向のコミニュケーション)
②自分自身の意見を伝えるためのルール
◆時間を守る ◆適切な言葉を使う ◆重要なことを簡潔に伝える
③意思疎通をはかるために対話を重ねる
④問題ではなく解決策を話し合う
メンタルヘルス ガイドブックより引用
コツとしては問題というようなマイナスの原因を追求しないことです。原因がはっきりわかって特をすることは実はそんなに多くはありません。要は問題が解決しさえすればよいのです。その解決法がストレスフルなものであったり、反社会的なものであるから問題が引き起こるわけですが、日常的な問題であればどうすれば解決するか、それをなるべくゲームのような方法で解決できる方法を見つけられれば非常に円滑なコミュニケーションで問題を解決することが出来るでしょう。