悪いところ探しでは会社が良くならない理由
思い出すなと言われても、どうしても青い象のことが思い浮かんでしまったのではないでしょうか?
赤いものを見つけないでください
きっとこう言われても、赤いものがいつもより目につくようになってしまいます。顔を動かさないで、じっとしてるとか本気で抵抗しようとしないと赤いものを見ないようにするにはとても難しいです。
会社の悪いところを改善しよう
後ろの言葉は改善しようという前向きなものなので、一見悪く聞こえませんが、今までの理屈だと、悪いところに目がいってしまうのはわかるかと思います。改善する方向に意識が向いていれば良いですが、実際にこのような標語で社内改善をしようとしてしまうと、悪いところだけ探して満足してしまって改善どころか、どんどん気持ちが悪いものとなっていってしまいます。
うつ病の人はうつを探しがち
近年、メンタルヘルスに関する情報はあちこちにあふれているので、意識しなくてもうつ病のニュースやその結果、自殺してしまうようなニュースが溢れています。もちろん、こういうニュースが多いなーと聞こえるのは私の関心が強いからです。しかし、こんな風にちょっとずつうつ病のニュースに気を取られていって、少し気分が落ち込んできたとき、ウツっぽいわーという言葉が出てくるくらいにウツという言葉は日常的なものとなっています。
これがこじれてくると、体調が悪いからきっとウツに違いない。そういえば、最近朝起きるときつらいし、夜も早く寝られない。ひょっとしたらうつ病なのかも。と、心配するスパイラルに陥って、本当にウツ病になってしまうというケースも起きてしまっています。これが新型うつと呼ばれるものの始まりなのかもしれません。もちろん、それとは別に本当に気づいたら寝られなくなってしまうというケースもあります。
職場のいいところ探し
あら捜しをしてしまうと、ダメなところばっかり目について、うまくいかないかもしれないというのはわかっていただけたことと思います。
それでは、反対に、どうしたらよいのかと言うと、会社を本当に良くしていくためにいいところを探していけばいいのです。助けて欲しい人がいるから改善するというモチベーションではなく、「みんなが働きやすい会社とはどんなところだろうか」というイメージを描いていくのです。働きにくい原因を探していくのではなく、働きやすい原因を突き詰めて考えていってそのイメージにすりあわせていけばいいのです。急な対応があったとき、働きやすい会社ならどう対応するのか、を考えていけばよいのです。自分の会社にはこういう問題があって、とやっていくと揉め事ばかり増えてなかなかうまくいきません。
メンタルヘルスケアは働きやすい会社の通過点
メンタルヘルスケアに力を入れようとすると、どうしても元気な人からは反発が出てきてしまいます。しかし、メンタルヘルスケアで用いられる手法というのは、元気のない人が元気に働けるようになる手法というよりかは、万人に通じる元気に働ける方法です。30点だった人が60点に70点だったひとは90点になる。これが本当のメンタルヘルスケア対策の効果なのです。
きっと、会社には他にも改善したほうがいい問題はたくさんあると思います。こころの問題だけではなく、経営的な問題や社会的な流れそういったものにドンドン対応していかなければいけません。あちこちに一つずつ対応していくのはさきほどの例で言うと、ダメな所見つけて治していくという対処療法的でダメなところばかりに目がいってしまうやり方です。
そもそも、社員一人ひとりが会社がうまく回っていくにはどうしたらよいのか、その通過点の一つであり、こころが前向きになればあちこちに相乗効果が生まれるそれが本当にメンタルヘルスケア対策なのではないでしょうか。