求められていない人材としての薬剤師の補助
1人の仕事を6人で
以前、一年ほど勤めていた総合病院でのことです。院内調剤薬局で薬剤師の補佐をする、薬剤助手という仕事をフルタイムのパートでしていました。仕事内容は多岐にわたり、調剤補助から薬剤の入出庫管理、処方箋の管理など、主に薬剤師が仕事に集中できるようにとサポートするものでした。
私が入職する際、もう一人同じ条件で入職する人がいて、さらにその前後で二人入職、最大で薬剤助手だけで六人もいる状態が続きました。先輩に話を聞くと、今までは一人で仕事をしていた時期もあるとのこと。一人でも十分まわる仕事量に対して六人は明らかに人材過多でした。
仕事の奪い合いと気の使い合い
朝、出勤して三十分もあれば午前中の仕事は終わり、昼休憩前後の仕事と、十五時からの締めの作業もそれぞれ三十分もあれば終わります。それを五、六人で奪い合いのようになり、やることがなくなるとひたすら隅々まで掃除や片づけ。それすらも終わってしまうと、ただひたすらに薬剤師の邪魔にならないように場所を変えながら整理整頓しているふりです。
必要としないなら採用しなければいいのに
上司に「何かお手伝いできることはありませんか?」と聞いても「特にないかな。その辺掃除でもしてて」としか返ってきません。私などまったく必要とされていないのだ、とその度に思い、とても心苦しく居場所もなく、どんどん憂鬱になっていきました。人事部にも相談して、その時は「わかった、(私の)上司に伝えておくから」と言われたのですが、実際に改善されることはなく、なぜこんなにも人材が余っているのに私なんかを採用したのか、だったら最初から採用しなければいいのにと毎日のように思っていました。今はもう退職しましたが、特に必要ともされていない、求められていない職場で働くことの辛さをそこで十分に学びました。