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メンタルヘルス対策のための職場環境づくりの簡単なコツ

2016/09/16 うつ病と会社
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Stress

メンタルヘルス対策が急務

昨今、メンタルヘルスの重要性が大きく言われている中、会社の人事の方はまったく知らなかったうつ病などの精神疾患対策に携わっていて大変苦労しています。
会社の方針で仕方なく行ったストレスチェックの結果に対して、どのような施策を行ったらよいのか頭を抱えている担当者も多いのではないでしょうか。
項目ごとに対応するとなると、つかれている気がする社員には休暇を推進して、イライラしがちな社員には身体を動かすようなジムを提案して、なんてことを行っているだけで、一年経ってしまいそうな量にもなりかねません。それにもかかわらず、人事の方には専門でもない病気の情報収集客観的な判断をもとめられてしまいます。あまりにもそんな仕事だらけだと、人事の方が参ってきてしまいそうです。
しかし、そんな仕事が低予算でしかも簡単にメンタルヘルス対策ができるかもしれないのが、まさにあなたの会社にいるかもしれない「当事者の声」に耳を傾けてみることなのです。

メンタルヘルスと情報収集

それでは、情報収集にあたってそもそもメンタルヘルスとはなんでしょうか。
メンタルヘルスという言葉自体に病気という意味はなく、「こころの状態」を指す言葉です。病気なメンタルヘルスもあれば元気なメンタルヘルスも存在します。直訳すると、こころの健康となりますが、身体の健康と同じようにこころの健康も考えていこうというのが昨今のメンタルヘルス運動の元になっています。
そして言うまでもなく、問題は「元気の無いメンタルヘルス」です。もっと問題なのは、その対策も情報も具体的に無難な案があまり見られないことです。
足腰の調子が悪くならないように、体操をする。このような話は割りとよくありますし、明日から会社で取り入れようというも比較的容易です。しかし、悩みを相談しやすい職場環境を整えようというのは具体的に何をしたらいいのかまるでわかりません。そもそも、悩みを聞き入れる体制ができていないのに悩みを聞くってなんだ、そんなふうに対策の対策が必要になって、こちらもまた途方にくれてしまいそうです。
そこで、情報収集も病気のことを調べてその対策を考えるよりも、当事者がまずどのように感じていたのかの生の声を聞いてみることで、本などで見る一般的な知識よりグッと具体性のある何かが見つかるのではないでしょうか。

職場が辛かった人の具体的な声

 

部署同士の連携の少なさ

以前、ある大きな病院の事務として働いていた時のことです。
主にデータ入力を行っており、看護師から大量のデータを頂いてそれをパソコンに入力して会議資料用とデータベース用に保存をする業務でした。
入社してすぐ看護師より入力方法やどの項目を入力するということを教えて頂きました。
しかし、ある日急に「あの項目をいつも入力していないから私が結局入力する羽目になって二度手間、あなたは何をしていたの」と言われ、その項目を確認したところ、その項目は入力するという項目リストに入っていないものでした。
そのことを早く教えて頂いていれば当然入力を行っています。
また、その看護師は私が不明点等があった時に電話でお尋ねをしていましたが、電話には出るものの「忙しい」と言われ、折り返しもなかったし、メールでお尋ねをしても返信はありませんでした。
大事にされていないどころか、私は全く信用すらされていなかったと感じた出来事でした。
このことを上司である看護部長へ話したところ、私が悪いということにされ、「コミュニケーション不足」と言われましたが、あちらは基本的に病棟勤務、こちらは部屋に籠って作業をするため、コミュニケーション不足というのもおかしいと思いました。
結局身内をかばわれたのでここで働いても嫌な思いしかしないと感じてすっぱり辞めました。

肉体的なつらさ

わたしは以前公務員のお手伝いというポジションで働いていました。
お給金は半分以下でも仕事量は同等、しょせんアルバイトのような身分の者は公務員とは違うのだと
初めから差別を感じながらの労働でした。

このアルバイトは主婦が多く、2ヶ月ごとに一旦解雇して履歴書を提出しまた雇用するという
面倒臭い手続きをさせられていました。
雇う方からすれば、アルバイトに払うお金は少ない方がいいに決まっているので
何とかして自分から辞めると言い出すように仕向けてきました。

例えば、外回りの職員さんがお帰りになった時に室内が暑いと困るというので冷房をかけるんですが
その温度設定が尋常でないのです。
まるで冷蔵庫の中にいるような寒さ。たしか平均で14度でした。
電気代、水道代をケチっているとは思えない所業です。

偉い人たちは背広をしっかり着込んでいるので、ちょうどいいかもしれませんが
おばさんたちは真夏でもジャケットを着込んだりホッカイロを持ったりして耐えました。
わたしはもともと体が弱く、外と中の気温差であっという間に体調を崩しました。
それでも生活のために頑張って働こうと努力しました。

でも、ある日突然「君、来月から来なくていいよ。期限切れ」
そう言われました。
例の「2ヶ月ごとに雇い直す」システムは、こうやって簡単に人を切るためだったんですね。
わたしは逆らい、どうしても働かせてくれと土下座して頼みました。
結婚するまではわたしが稼がねばいけなかったんです。
そうしたら翌日わたしの事務机がはじっこへ追いやられていました。
ゴミの山と一緒に。
わたしはそれを見て自分もゴミと一緒なんだと悟りました。
無駄に給料を持っていくやっかいなアルバイト。それがわたしでした。

泣くのを必死でがまんして、お金が貯まるまで意地で働き続けました。

 

メンタルヘルス対策のプロは実体験者

こちらでお見せしたお話は実体験のほんの一部です。
実はメンタルヘルス対策の身近なプロというのはあなたの身の回りにいるその当事者、または復活した人なのです。症状は違えど、状況は違えども、自分と似たような人がそういう環境になってしまったときどう思うだろうか、もし何かいい環境を作れるとしたら、どういう環境がいいのだろうか、そんなことを考えるには最適な人材です。
特に最適なのは、まさに改善しようと思っている部署にいる、その当事者です。
一度、評価などのことは何も気にせず、実際、働いていて、どういう気持ちなのか、どう変わってくれれば働きやすかったのか、その話を聞いて、そこから対処療法的に少しずつ変えていくのが、簡単にできるメンタルヘルス対策になる職場環境作りなのではないでしょうか。

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