もう一度考えてほしいメンタルヘルスケアの未来
社員のどうしようもなく不安な気持ちは必要ですか?
メンタルヘルスケアに力を入れようとすることはとてもよいことです。そのほうが、職場の社員みなさんがイキイキと働けるようになって、会社がますます活気にあふれるようなものになっていけばそれほど嬉しいことはありません。
しかし、社員のいろんな不安を取り除こうとするあまり不安を求めてしまっていってはいませんか?
社員の不安にばかり目がいってしまって、本来の目的であった社員がイキイキと働けるような環境とは何かということがすっぽり抜けてしまってることがあります。
そんな状態でメンタルヘルスケアを始めてしまうと変に鬱々とした感情ばかりムダに引き寄せてしまい逆効果なんてことも起きてしまうかもしれません。
誰より不安なのは一人ひとり
うつ病やパニック障害など疾患名がついてしまっている場合かどうかに関わらず、社員一人ひとりがいろんな大きさの不安を抱えています。
その不安感がどこから来るかは人によって様々ですが、それがつもりにつもって、いつかメンタルに不調を起こしてしまう人が少なくありません。過労によって、メンタルの不調というのも単純に疲れがたまりにたまってというよりかは考え方自体が少しずつ都合の悪い方へと傾いていってその限界が来ると、あの大きな広告代理店のような話が起きてしまうのです。
そして、そんな不安の種類というのは人によって様々です。
会社に行こうとするとどうしても身体が嫌がる感じがする。仕事がうまくいくかどうか不安だ、上司や同僚とうまくやっていけてないという人間関係の不安などがあげられます。その中でも結構根が深いのが自分は何をやってもうまくいかないというてこでも動かない不安感です。
実はこんな人達も不安を取り除こうと日々頑張っているのです。でもどうしても身体が心がいうことを聞かない日々を送っているのです。
先程の、社員のことを思うがあまり空回りになってしまうメンタルヘルスケアの例と同じことが社員一人ひとりの中でも起きています。
つまり、社員一人ひとりも自分の不安を消そうと不安のことばかりを考えてしまっているのです。もし、これを読んでいるあなたのような心優しい上司や同僚がいるかもしれないのに、気をかけてくれている仲間がたくさんいても、その人は自分の不安のことばかりに目がいってしまっているのです。
休ませられるものなら休ませたかった、こんな話もこんな悪循環から生み出されている悲劇とも言えるでしょう。
みんなが欲しいものは肯定的なメッセージ
自信やマインドフルネスがメンタルヘルスケアに効果があると言われています。自信もマインドフルネスも基本的には自分を肯定してくれるものです。みんなそんな風にちゃんと前向きに生きていきたいと考えているのです。
どうしても職場というのはできるできないなどの能力で人を判断してしまいます。もちろん、人間関係であっても、上手に取り繕える人とそうでない人の差というのはどうしても生まれてくるでしょう。
そんな風に図られてしまうことへの不安というのは一人ひとりの心の中にあります。
だからこそ、少しでも出来ていたことがあれば定期的に認めてあげることが大切になってきます。そして、認めてもらえた方も見ててもらえたんだときちんと感謝できることが必要です。
メンタルヘルスケアの難しいところは制度的にまったく問題がなくても、受ける側の気持ち一つで絶大な効果にもまったく効果がないことすらありえてしまいます。
だからこそ、社員一人ひとりが自分で自分をまずは肯定してあげられるようなメッセージを見つけてみるのがよいです。
不安な気持ちというのはどうしても人のせいにしてしまいます。あの人がいつも悪いからと考えてしまっていては、その人が変わるかいなくなるまでずっと収まりません。もしいなくなっても、また新しい標的を見つけることもあります。そんな風に言い訳に言い訳を重ねていてはよくありません。
だからこそ、自分のほしい未来のために、自分を肯定して、自分の力で未来を切り開ける力を与えてあげられることが何よりのメンタルヘルスケアになるのです。
今、つらい不安な気持ちを抱えている人も
誰かが不安な気持ちを乗り越えて、活躍できるようになった話というのは同じ不安を抱えた人からするととても励みになります。完全に乗り越えていなくても、少しだけ乗り越えられた人というのも全然抜けられていない人の励みにもなります。
そして、つらい気持ちを抱えている人と元気な人の橋渡しができるのは唯一、その両方の気持ちがしっかりとわかるつらいことを経験した人です。
会社の中であの組織はこういう人にはツライだろう、こんな仕事はもっとツライかもしれない、そんな風に見えているのは一度元気になった人です。
一度、誰かを元気にすることが出来ると、元気な人はより元気にできる仕組みもつらい不安な気持ちを抱えている人が元気になるためのメンタルヘルスケアの対策も同じことのように見えてくるはずです。
あなたが今、経験している気持ちというのはきっと誰かの力になります。
そして、そんな人を抱えている会社にとっても、それは見方によってはかなり財産になるはずです。一人ひとりが理想とする会社を考えることでメンタルヘルスケア対策をしてみることで、きっとその対策はますますうまくいくことでしょう。