国際理解とメンタルヘルスケアは同じかもしれない
国際関係の仕事をしている人の優秀さ
先日、とある国際理解についてのワークショップに参加してきました。国際理解という文脈だと、グローバルに活躍しようとしている優秀な方が多くてとても学びになります。もとからとても優秀だったかというとそんなことはないようで、ボーっと過ごしていて、なんとなく行った旅行先の国に感動してだったり、おいしそうな食べ物につられて始めてみたりととても様々でした。
関心がいわゆる仕事に向いていなかっただけで、蓋を空けてみればとても優秀な人達が溢れているんだなという感覚がありました。若い世代は思っている以上に価値観が多様化していて、ハマるところにハマらないとまるで力を発揮できずに適応できないというのもその裏の面として感じています。
CQ
CQという言葉はご存知でしょうか?これはIQ(知能指数)、EQ(感情指数)につぐもので、文化指数といわれています。いろんな文化の方が入り混じって発展し始めている今の世界において、自分の国とは違う考え方、感じ方にどれだけ適応していけるのかという指数です。例えば、日本はとてもトイレをキレイにする習慣がありますが、ロシアにはどうせ汚れるものをキレイにしてもしょうがないという考え方があります。言われてしまえばどうということのない差ですが、こういう小さい差が国や文化圏によって様々な違いがあります。
実際に起きた困った話
オーストラリア系の企業が主導で韓国系の企業と合同で何千人規模の大きなイベントを開催をしたときの話です。イベント設営というのは比較的時間が長時間になりやすく、休憩時間があったりなかったりします。そのペースは各自に任されており、オーストラリアの企業の方はサンドイッチを片手に適宜、自分のリズムで休みながら仕事をしていました。そんな状況なので、韓国系の企業の方もしぶしぶそれに従って仕事をしていました。ところが、そんな状況にとうとう嫌気が差したのか、開場1時間前にみんながお昼ごはん休憩に出ていってしまったそうです。何千人規模のイベントなので、当然スタッフもたくさん必要ですがそんなスタッフすらいないという状況になってしまいました。ギリギリの時間にチラホラ戻ってきてくれたりして事なきを得たそうですが、もし開始時間になっても誰も戻ってきていなかったらと思うと笑えない話もあったそうです。どうやら、韓国の人はきちんと座って、ご飯を食べて休憩するという文化があり、それがないことにとても腹をたてていたそうです。それ以外にはなんの不満もなかったそうです。たったそれだけのことでよもや大惨事でした。この会社はこのあとからはしっかりとお昼休憩は時間をとって座って行うということを決めたそうです。それだけで韓国の人は、前のときとは比べ物にならないくらいしっかりと働いてくれるようになったそうです。
同じ国籍の人同士でも価値観の違いは存在する
これは国が違うことで生まれた価値観の違いの問題ですが、私達日本人の間でもこういった価値観の違いも心あたりがあるのではないでしょうか?しつけが厳しかった家で育った人はあいさつが適当だったりすると許せないかもしれませんが、おおらかな家庭で育った人にはそれが窮屈で仕方がない。時間の考え方も沖縄に行くだけでぜんぜん違うという話もありますよね。価値観や感じ方にはある程度の規範はあっても何が正しいというのは基本的にはありません。あなたが正しいと思っていることでもまったく反対のことを思っている組織や集団は存在します。
そして、今まで出てきた2つのお話のように少し価値観を尊重するだけでその人は今までになかったすさまじい力を発揮したりします。きっとこれはただ甘やかすだけというのは違います。その人がほんとうに大事にしていることを見つけて共有しただけのことです。
もしかしたら、精神的に弱いから使えないと思っていたあの新入社員も同じかもしれません。そういう文脈から考えてみると実は国際理解もメンタルヘルスケアも同じことなのかもしれません。何も考えているかわからない人ときちんと話し合ってみるともしかしたら、そんな突破口が見つかるかもしれませんね。
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