うつ病の人との接し方から学ぶコミュニケーション術
これから季節の変わり目になってきて、寒暖差が出てくるのは風邪には気をつけたい季節になってきましたね。そして、気温差や季節の変わり目に出てくるもう一つの問題が心の病です。身体が弱ると心も影響を受けて、少なからず心もアンバランスになります。
季節の変わり目ぐらいで調子を落とされていてはたまったものではわかります。ですがそんな小さな積み重ねが大きな病気になってしまうのが今のメンタルヘルスの実情でしょう。そんな風にあなたの身近な人が少しずつ調子を落としていって、気づいたらうつ病と診断されていて、どんな風に接したらいいんかわからなくなってしまうことが起きるかもしれません。そうではなくても、今、実際にうつ病などのメンタルヘルスの病気を抱えている人とどのように接したらいいのかわからないという話もよく聞きます。今回はそんな風にどのように接したらいいのかわからなくなってしまった人へ誰にでも使えるコミュニケーションのやり方のコツをお伝えいたします。
相手とのラポールを築こう
ラポールを築くとは”相手との共通点”を見つけることです。ラポールとは人間関係における信頼関係のようなものです。このラポールを築けていると、自然と相手と同じ仕草をしていたりするので、無意識のうちに相手に心をひらいている状態になります。その心を開くのにうってつけなのが相手との共通点なのです。好きな野球のチームが一緒だったり、故郷が同じだったりしたことで、相手に不思議と親近感を抱いたことがある方も少ないと思います。その共通点をしっかり掴み、相手が何で喜んだり、気分が良くなるのかを抑えておけばラポールはばっちり抑えることが出来ます。
ラポールを築けると人間関係がうまくいく
一度、ラポールを築けて心をがっちり掴まれてしまった相手とは考え方の違いが多少あっても、またその共通点があれば相手の気持りをくむことが出来ます。もちろん、ラポールが築けているからと言って無茶なお願いや暴言が許されるというわけではありませんが、一般的な上司と部下、同僚同士という関係から考えてみると非常に強い信頼関係が築けているといえるでしょう。そうしたら環境で働けることによって、ストレスが感じにくいことは言うまでもないこととして、お互いを意識し合って切磋琢磨し合える人たちが育っていきます。
このラポールが取れているかというのは相手がうつ病の人であっても同じです。確かに相手の話をしっかり聞いて否定しないのは大事なことです。それがメンタルヘルスでも普通の人間関係でも同じことです。しかし、アドバイスもしない、しっかりと話を聞くだけというのは少し訓練を積まないと難しいことでもあります。それであれば、積極的にできる接し方の一つとして、相手との共通点をしっかり掴むこと、そして、相手の気分がよくなる趣味や考え方を見つけるということは今後の人間関係において非常に強い武器になるといえます。
うつ病予防にもなる接し方の一つ
さらに、予めこのラポールをしっかり築けるということはメンタルヘルスの病気をあらかじめ予防することに大きな効果があります。うつ病になってしまう人の多くは人間関係におけるストレスが原因と言われています。つまり、人間関係が良好であればはじめからうつ病にはならないとも考えることが出来ます。自分のことをしっかりわかってもらえている上司がいる環境と、何を言ってもわかってもらえずに否定される上司がいる環境とではかかるストレスが違うことはわかると思います。これは甘やかすかどうかという次元とはまた少し違う話です。売上が大事である以上、しっかりと仕事はやってもらわないといけません。その手綱をしっかり握れるのもお互いに信頼関係が築けていればこそです。
きっとこれを読んでいる方も売上をあげることが仕事のはずでメンタルヘルスケアは仕事ではありません。その売上を上げるのに最適なのが部下や同僚のパフォーマンスを向上させることであり、それこそがまさに何よりもメンタルヘルスケアにつながることと言うのを念頭に置いておきましょう。
もっと深くうつ病の人の気持ちを理解してあげたい方は
今回お伝えしたのは比較的誰にでもできる簡単なコミュニケーションの方法の一つです。これが完ぺきにできていてもそのあとの対応があまりにもうまくいっていなければ、せっかく築いたラポールも無駄になってしまいます。もう一歩深く込み入ったコミュニケーションをとりたい方はピアカウンセラーの講座をのぞいてみてください